【格言その2】実務経験10年以上の裏付け書類は肝だ!
専任技術者に関する要件ー建設業法第7条第2号、15条2号
建設工事に関する請負契約の適正な締結・履行を確保するためには、建設工事についての専門知識が必要になります。このため、営業所ごとに、許可を受けようとする建設業に関する一定の資格又は経験を有する専任技術者の配置が必要になります。
【営業所ごと】同一営業所における専任技術者の兼務について
複数の業種の許可を申請するときに複数の業種を技術資格要件を1人で満たす場合、同一営業所内であれば、その者1人で複数業種の専任技術者を兼ねることができる
ということは、営業所が複数ある場合で、契約などの業務を複数の営業所の場においても実施する場合、それぞれの営業所で専任技術者の配置が必要になる。もちろんその場合は、本店(本社)以外の営業所には令3条の使用人も配置することが必要になる。経管とは異なる。この複数の営業所が県をまたぐ際には各々の管轄の県知事許可ではなく、大臣許可となる。会社の発展によって知事許可から大臣への許可替え新規が必要となる。
【専任性と常勤性】
「専任」の者とはその営業所に「常勤」して、専らその職務に従事する者のことを言います。よって同一法人であっても他の営業所の専任技術者を兼ねることはできません。
配置され勤務する専任技術者の住所(居住場所)はこの営業所から著しく遠距離で常識上通勤不可能な者、ほかに個人営業を行っている者、建設業の他社の技術者、常勤役員等(経管)及び、常勤役員等を直接補佐する者、他社の常勤役員・代表取締役・清算人などになっている者は「専任かつ常勤」とみなされません。以前は申請時に住民票を提出することもありましたが、現在は申請時の必須書類とはなっていません。常勤性という観点からは社会保険の提出書類での確認となります。
この常勤性から必要となる書類には証明する期間にどの業態、どの会社に常勤なのかについても裏付け資料が必要です。それもその期間とは10年間を超えるものなので結構至難です。例えばその期間に個人事業主であった場合、確定申告書の1.2で誰にも雇われてないことの証明をします。ここで注意なのは確定申告書の控えを受理印付きで保管しているのか?税務署から受付印付きの控えを再発行してもらう場合、税務署の保管期間が7年なので、10年前の確定申告書の控えの再発行は困難です。雇用されていた先での10年間の実務経験であれば、そこでの常勤雇用の裏付けとして社会保険等の書類で証明することになります。専任技術者となる方の特性によって裏付け書類の確認が必要となります。
個人事業主:健康保険証の写し、確定申告書の控え証明する年数分の写し
常勤雇用:健康保険証の写し(法人名)、厚生年金の被保険者記録照会回答票の写しなど
【資格と実務経験】
建設業種は29業種あり、業種により資格などを確認する必要があります。
①指定学科卒業と実務経験②実務経験10年以上③国家資格者又は大臣特認
上記の中で③の国家資格者の場合は、裏付け書類として資格証や合格証などの提示と写しの提出となります。
②の実務経験10年以上の場合、その業種の実務経験を裏付ける書類としては
証明期間において対象業種での実務経験を裏付け書類は・・・
●その期間に建設業許可有のところで実務経験有➡対象業種の建設業許可通知書また受付印のある許可申請書、・変更届・廃業届などの写し
●その期間に建設業許可無し➡工事名や工期などで対象業種の確認できる期間通年分の工事請負契約書(写)、注文書・注文請書(写)、請求書(写)・入金確認資料(通帳)の写し
資格があったり実務経験でもその証明期間に建設業許可有の会社でその実務経験があれば、証明書類は比較的用意できそうですが、実務経験10年以上の契約書類等や入金確認通帳の保管は長期間であることや通算年数、月数の関係で10年以上となると120か月以上の期間を通算する書類の用意は大変難しいことです。
御社の専任技術者となる方や、これから専任技術者となる方を雇用しようとする前にこの要件や裏付け書類の具体的な確認をお勧めします。
「どういったものを、どのように、どのくらい、用意したらよいのか?」
御社の状況や対象となる方に合わせてご案内説明いたします。まずはお気軽にご連絡ください。許可は既に持っている方も専任技術者となる方の退職など変更があった時も、確認のためお問い合わせください。